1)発症状況 |
室内の空気中に放出されるホルムアルデヒドを、一度に多量の被曝を受けたり、また、微量な濃度でも長期に被曝を受けつづけると、知らず知らずの内に空気と一緒に吸い込むことになり、ホルムアルデヒドが体内に蓄積され、その量が被曝者の容量限界に達した時、化学物質過敏症が突然発症する。新築住宅の場合、入居直後に発症する人、また、入居後6ヶ月から1年くらいが最も発症率が高く、2〜3年後で発症する人、また、5〜10年後でも発症するケースもある。 |
2)症状状況 |
化学物質過敏症の症状は人によって千差万別であり、高い濃度のホルムアルデヒドで被害を受ける人、また、低い濃度でも被害を受ける人、さらに、高い濃度でも被害を受けない人など様々である。自覚症状のない健康な人でも、高濃度のホルムアルデヒドを長期的に接触したり、疲労や体調を崩した時に発症する。 |
3)症状 |
新築住宅への入居後、目がチカチカ、めまい、鼻をつく刺激臭、喉がカラカラ、喉の痛み、吐き気、頭痛、イライラ、手のしびれ、皮膚の発疹や赤い斑点、下痢、喘息の発作、呼吸器障害、疲労感など、体調に異変が生じる。 |
4)かかりやすい人 |
化学物質に過敏な人、アレルギー体質の人、花粉症の人、虚弱体質の人、抵抗力の弱い幼児や老人、家にいる時間の長い主婦と子供、また、日頃健康な人でも疲労や体調を崩した時などはかかりやすい状況にあるといってよい。 |
5)患者数の増減 |
我が国のアレルギー疾患者は3人に1人であるが、化学物質過敏症に悩む人は、増加傾向にあり、予備軍を含めると1,000万人から1,500万人とも言われている。
この中で7割が主婦といわれ、濃度の高い室内に長時間在住することに起因する。また、子供も同様である。 |
6)発ガン性危険値
16ppm |
ホルムアルデヒドの体内蓄積量が増え続け、その量が発ガン性危険値の16ppmに達すると発ガンが伴う。アメリカの環境保護庁(EPA)の国内室内汚染の調査結果によると、室内空気汚染物質が原因で年間3,500人がガンで死亡したと発表している。 |
7)アレルギー症と
化学物質過敏症
の違い |
アレルギー症状は百万分の1ppm単位で起きるのに対して、化学物質過敏症は10億分の1ppb(=1兆分の1ppm)単位でも引き起こされる。アレルギーは主に免疫系に異常が出るのに対して、化学物質過敏症は有機系の化学物質が神経系に直作用して自律神経の異常を引き起こす。
呼吸によって肺に取り込まれた化学物質は、肺から直接血管に吸収され、また、神経を経由して脳内に流れ、脳の高等な機能を低下させ、脳の障害を引き起こす。
注)子供は神経系が侵されるため、不登校、家庭内暴力、変質者となるため要注意である。 |
8)症状の実例 |
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1.寝たきりの生活となり、真冬、真夏でも窓を開けたままの生活となった。
2.電車、自動車に乗れなくなり、また、外出が出来なくなった。
3.学校、会社へ行けなくなった。
4.子供の犯罪、家庭内暴力、不登校が生じた。
5.調理や燃料ガスの臭いで気分が悪くなり、台所で炊事が出来なくなった。
6.スーパーに買い物に行けなくなった。
7.洗剤の臭いで洗濯が出来なくなった。
8.車の排気ガスでも気分が悪くなった。
9.新しいアスファルト舗装箇所を歩けなくなった。
10.新しい印刷物を手にするだけで気分が悪くなった。
11.化粧品や香水の臭いでも気分が悪くなった。
12.自分が今、何を話しているのかわからなくなり、ヒステリック症状となった。
13.イライラが続き、暴力を振るうようになった。
14.思考力や記憶力が低下してきた。
15.脳の発育障害、脳性麻痺、精神遅滞、学習障害、注意力散漫となった。
注)このような症状になるまで体調を崩すと、その後の回復は困雑である。 |